徒然なるままに (アル+エドとウィンリィ)




 兄さんが大きなくしゃみをした。 たらりと垂れた鼻水のおまけ付きだ。
 「ぶえっくしょーい」って、すごくおじさんくさいよと言いたくなったけれど、我慢した。 兄さんが豪快なのは今に始まったことじゃないから、言ってもどうせ直らないだろうし。
 ブリッグズは寒い・・・みたいだ。
 兄さんは暇さえあれば「寒い寒い」を連発している。
 それなのにウィンリィはここでもスカートを穿いていて、寒くないのかなぁ、と僕は不思議に思ったりした。 まぁでもウィンリィは女の子だから、オシャレとかにも 気を使うのかもしれない。 ウィンリィが女の子なんだってことはずっと昔から知っているけれど、こういうことがあると再認識させられるんだ。 それがなんだか、照れる。
 ・・・・・でも本当は照れてる場合なんかじゃなくて、少なくとも僕たちの近くいると危険だからラッシュバレーに帰さなきゃいけないということも分かってる。 ウィンリィは人造人間側から目を付けられてるし、それ以前にこの国全体が賢者の石に錬成されようとしているわけだから、どこにいても危険なのは変わらないんだけど。 それでも僕たちの近くはいつも危険でいっぱいだから(兄さんが危険の中心だからね、いつも)、信頼できる人たちの傍で、少しでも安全に暮らしていてほしいと思う。
 でも現にウィンリィはここにいて・・・それは兄さんの機械鎧のメンテナンスのためで・・・その原因を作ったのはやっぱり僕たちで・・・。
 あのとき、母さんを錬成しようとしなければこんなことにはならなかったんだと思うと胸が痛む。
 少なくともウィンリィはこんな危険な場所にいなくて、僕は僕の身体のままで、兄さんは軍の狗と呼ばれずに済んだはずなんだ。
 得たモノが何もないとは言わない。
 錬成陣なしの錬成はとても便利だ。
 これは全部、あのとき母さんを錬成しなかったら全くの無関係になってしまっていたことで、まぁ取り返しなんてつかないから現状を受け入れるしかないんだけど、とにかく僕たちの罪から 生まれた『よかったこと』 だから、それだけはいつか「よかった」 と胸を張って言えればいいと思う。
 そして今は、僕たちに出来ること・しなきゃいけないことを精一杯すればいいんだ。
 そうだよね、兄さん。


         ところでさ・・・・




 とりあえず、その垂れたままの鼻水をなんとかしてよ!
 弟の僕が恥ずかしいじゃないか!!

















fin.

















2007/11/ 8 up