心地よい微睡みから強制的に引きずり起こされたC.C.は、しぶしぶと上体を起こした。 窓から差し込む陽光は早朝のそれだ。しかし、そこまで早いのかといえばそうでもなく、ごく普通の学生であれば起き出して、最低限の身だしなみを整えるような、 そんな時間だった。 C.C.は寝ぼけまなこを擦りながら、安眠を妨げた原因であろう物体に眼を落す。 枕元にあたる位置で、シンプルな携帯電話が小刻みに震えていた。 「・・・・お前、しつこいぞ」 振動が止まらない機器のディスプレイに表示された文字は、携帯電話の持ち主との会話を熱望する者の名を声高に告げてる。どんな人物であるかはC.C.の知る ところでないが、止む気配を見せない振動は、その人物が“諦めの悪い”・・・良く言えば“根気強い”人柄であることを窺わせた。 ・・・それにしても、不愉快な振動である。 『 身体に直接響く振動に嫌気が差したC.C.は、ついに通話ボタンを押してしまった。その瞬間から流れ出た音声は、決壊したダムから流れ出る水さながらの勢いで 部屋中に広がっていく。 電話に出ても出なくても、鬱陶しさは同じだったか・・・。 心中で小さな嘆息をひとつ零してから、C.C.はおもむろに携帯電話を口元まで持ち上げた。 視線は隣。夜明け後にベッドへ潜り込んできた、いまだこの騒動に反応を示していない男の許へ。 「生憎だがルルーシュはまだ寝ている。他をあたれ」 『えっ? ちょっ・・・・ぇええ!? きみ、だ 一方的な強制終了によって残されたのは、どこか虚しさを感じさせる電子音のみ。 不快の芽は摘んでおくに限る、とばかりに、C.C.は携帯電話の電源まで切った。後にルルーシュが怒り狂うのは目に見えているが、起きなかった 方が悪いと言い返す自信がC.C.にはある。ついでに、ルルーシュに言い負かされない自信も。 大人しくなった携帯電話を元の位置に戻し、C.C.は再びベッドに身体を預けた。瞳を閉じると、眠りの世界はすんなりとC.C.を受け入れる。 何事もなかったかのように、朝は束の間の平穏を取り戻した。
a confused day ある朝の話 ここでルルーシュを起こさないのが、C.C.の優しさなのです。 続く、かも・・・。 2008/ 6/13 up |