飴色の抗弁 「・・・・・・・・腰が痛い」、と。そう零しながら、C.C.は肩越しにルルーシュを仰ぎ見た。 数を重ねるごとに巧みに、そして激しさを増していく行為に対する明確な抗議だ。 呆れを含んだ視線と非難めいた声色は、普段まったくと言っていいほど感情を読ませない彼女が送り手である場合に限り、希少価値が出る。 人ではない女の、人のような反応や態度や、言動。 それに莫迦みたいに振り回され、しかし同時に、期待しているのも事実だった。 乱れたシーツの上に散らばる新緑の髪が綺麗だとルルーシュは思う。 だが、それ以上に眼をひくのは白雪のような肌を晒したままの、その小さな肩と細い背だ。ひやりと冷たい肌も、薄桃に染まるまで熱を孕むことを知っている。いや、知ってしまった。 加えて挙げるならば、驚異的な治癒力と回復力をもつC.C.の身体には欝血痕どころか銃弾の痕すら残らないことも男は知っている。 当然、そんな身体に腰の痛みがしつこく残るはずがないであろうことも。 「だが、よかっただろ?」 だから悪びれもせず、ルルーシュはいくぶん高圧的な笑みを返した。 すると途端にC.C.の肩が不自然に強張る。それでも少し背を丸めて寝る体勢に入ったのは、話をするのも莫迦らしい、とでも思ったからなのだろうが。 無意識のうちに零れた笑みは自嘲的でありながら、やはりどこか楽しそうな色を帯びていた。
『飴色の抗弁』 2008/ 3/15 up |